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アジア・アートリンクの道 – 八坂圭とアジアの芸術祭

2018年07月26日

ここ数年、アジアで開かれる滞在型制作の芸術祭に招かれる機会が増えています。
有機的に生まれ、育っている、アジアを中心としたこのつながりを「アジア・アートリンク」と呼んでいます。
そのつながりの中に私が入っていく流れを、すこし時系列で整理してみました。

そもそも私はパプアニューギニアに留学していたので、アジアとのつながりは切っても切り離せません。
2012年には、里帰りの思いでパプアニューギニアに旅しました。

2012年の旅の記録

2013年にはブリュッセルのアートフェアに作品を出品し、私の世界感が文化を越えて届き得ることを体験させてもらいました。

そして、2014年に、アジア美術家連盟展の国際展に参加したことがきっかけで、海外での芸術祭に招待されることが増えました。

以下、レポート形式にて。

・2014年 第28回アジア国際美術展覧会(台湾)

福岡県文化団体連合会理事長の宇田川宣人氏とアジア国際美術展に参加。長い歴史のあるアジアの国際展は、福岡で活躍した二科会会員の故・秋吉資夫氏が戦後韓国作家の友情を通して育ててきた会でもある。この会に参加したことで、アジアの作家との交流が深まった。

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあと、私は個人的にネパールへの旅を計画し、思い出深い「The top」という作品を完成させました。



・2014年 ササラン国際美術祭招聘レジデンス作家(マレーシア・クアラセンゴール)

同じく国際展に参加していたマレーシアの作家、ング・ビーが主催するササラン国際美術展に招待される。ビーの出身地である過疎化した漁村を芸術祭で活気づけようという企画。すでに3回目となるイベントは、地域の行政や企業、村人たちに支えられ、多くの学生ボランティアによって運営されている。期間中の市民交流も活発で、アジアの芸術祭の中では成功事例と言える。この会に参加したことで、国際的な作家交流がうまれ、多くのアートイベントに招待されることになる。





 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・2016年 カジュラーホ-ダンスフェスティバル・アートマート出品(インド政府主催)

世界遺産のカジュラホで長年行われている伝統舞踊祭に付随する形で国際美術展が開かれた。ササランでつながったインドのアーティストの紹介で、主催者から招待される。この一連のつながりでは、中東や東欧からの参加アーティストも多い。滞在費は主催者が負担し、渡航費は作家自らか、作家が所属する国が負担するのが一般的なようだ。このイベントでは、市民を前に、東洋美術としての日本美術とインド美術の共通性について短いセミナーを行った。



 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 





 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

この時の旅についてはブログに記録を残しました。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・2016年 Galeri Seni Mutiara “Malaysia, Japan & Philipines Fusion 3” 出品(マレーシア・ペナン)

世界遺産のペナンでの国際展。アジアの作家交流は、組織だった団体によって統制されているのではなく、インターネットなども利用しながら有機的に育ってきている。このイベントでは、そんな「アジアアートリンク」と私達がよぶつながりの中から、フィリピンと日本、マレーシアの作家による合同展が行われた。

私の主観ではあるが、アジアの新興国は、現在の日本よりも純粋美術に対する理解と支援が篤いように感じる。このイベント中も、地元の私設美術館が展示作品を蒐集し、ひろく市民に紹介していた。



 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・2017年 ササラン国際美術祭招聘レジデンス作家(マレーシア・クアラセンゴール)
2014年に引き続きササランでの国際芸術祭に参加する。この数年の間に、ササランの村にはこのイベントから発生した美術館も建てられた。野外彫刻も増え、一帯は芸術村の様相を呈している。期間中、テレビや新聞で取り上げられ、多くの市民が訪れるイベントになっている。私は、オープニングで行政の人々や地元の市民、参加アーティストに向けて、祝辞のスピーチを述べさせていただいた。京都で活躍する福岡出身の美術家、香月美奈も招待作家として参加した。



 

 

 

 

 

 





 

 

 

 

 

 





 

 

 

 

 

 

 



・2018年 ハノイ・マーチ・コネクティング2018招聘作家(ベトナム・ハノイ)

ササランのビーとならび、アジアアートリンクの精神的支柱である、トュアンがベトナムにいる。彼の声がけで、ハノイでの芸術祭に招待された。美術大学を舞台にした芸術祭ではあったが、大手リゾート会社と地方行政がサポートするイベントで、とても充実した芸術祭になっていた。学生だけでなく、さまざまな市民が、創造の現場に立ち会い、アイデアのヒントを得ている様子が、とても人間的で、まさに未来の文化の土台がこのようなイベントから生まれているのを感じた。ここで描かれた私の作品も地元の会社にインスピレーションを与え、蒐集されていった。 このように多くのイベントに誘われるなか、すべてに参加することは時間的にも資金的にも難しい。私のまわりの才能と実力と積極性を兼ね備えた作家にも紹介し、この友愛の輪は広がりつつある。2018年は引き続き2つの芸術祭へと参加が決まっている。



 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 



 

レポートはここまでです。

私が参加できずに、樋口愛子・中林可寶・木森圭一郎・糸賀 悠加里などの作家を紹介して旅してもらったアートキャンプもあります。
様々な出会いとインスピレーション、創造のエネルギーが創発しています。

足掛け五年ぐらい、友情の輪が育っています。この有機的なネットワークが育つのに、どれだけの情熱が注がれているか。
アートにかける爽やかで軽やかで、強い意識を、毎回感じます。

こうなったら、福岡で、私が主催して、なにかやるしかない。
そう思っている2018年の夏です。