マレーシアで作品を紹介する

愛するみなさんこんにちは。

この、「愛するみなさんこんにちは。」という言葉は魔法の言葉です。

言葉には現実をつくる力があります。このブログを読んでくださっている方々のなかには、いろんな人がいます。そのすべての人に愛を。この挨拶で、実際にそのような現実を創り出すことができるのです。

私がこの言葉を発するとき、静かな呼吸と、ゼロに戻る感覚が得られます。まるで、新しく、今生まれたばかりのような感覚です。はじめまして。みなさん愛しています。そういう感覚です。

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マレーシアに行ってきました。2014年のマレーシアでのレジデンスプログラムから、アジアのアーティストとの交流が続いています。今回は、ペナン島での作品展に参加してきました。マレーシア・フィリピン・日本の作家によるアート・エキシビション。題して「Fusion 3」です。

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招待をうけたのは、もう一年ほど前でした。連れてくる作家は圭が選んでくれということで、このプログラムに興味をもってくれる画家を探していました。結果、東京芸大の工芸科を卒業し、ろうけつ染の技法で絵を描いている「片山穰」。福岡で日本の神秘性をテーマに据えて油絵を描き続けている「田代耕 一」。美術解剖学を研究しながら人体と空間を描いている「木森圭一郎」の三人とともに参加してきました。

2度目のマレーシアは、なんだか空港に着いたときからやさしく迎え入れてくれているようで、温かい風が心地よかったです。

インドでも出会った仲間たちが、またここでも顔をあわせる。私が参加しなかった他の国でのプログラムで、私の友人にあった話題をしてくれる。国境を越えて、世代も越えて、アーティストたちの交流がゆっくり育っているのを実感します。

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今回の旅で一番感じたのは、アジアにはたくさんのアートコレクターがいて、自分の目でいい作品をみつけ、作家を応援していこうとするエネルギーが息づいているということでした。

あたたかくて、食べものがたくさんあって、海外のひとがたくさん行き来して。みんな質素な暮らしの中で夢をもって人生を味わっている。あたりまえの日々なんだけれど、日本とは流れている時間がすこしちがう。

粗削りでも、新しいものを生み出していこうという創造的な雰囲気が旅のあいだずっと溢れていました。一緒にいった3人もそれぞれに刺激を受けていたようです。

アートとはなんでしょうか。

絵に限らず、音楽に限らず、彫刻に限らず、アートはひとによって形を与えられた全てです。たくさんの試行錯誤のあとに、そのなかから人々が普遍的な何かを見出していきます。たくさんの素晴らしいアートを見てきて、その歴史を知るにつけ、地球のアートは、アーティストとそれを見いだすひとの両方で生まれてきたのだなあと思います。

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今回、マレーシアのアートコレクターのお家や事務所をいくつか拝見させていただきました。どれも、素晴らしい作品で、しかも大きい作品が多かったのが印象的でした。言葉をこえて、共感できる、なにか普遍的なものをアートは模索している。

そんななかで、私がもっていった作品も、なにがしかの印象をギャラリーにきてくれた人たちに与えていたようです。私が宇宙的な感覚のなかで掘り進めている調和や愛の感覚が、絵画そのものを通じてひろがっていく。そんな時間を感じることができました。

出品作

自分の絵の前にたって、「しかし、これは私が描いたのではない。」と、思い至ります。そこにあるのは、私をつつんでいる宇宙の愛。

ギャラリーのオーナーは戦時下で生まれ、若い時はアーティストとして世界を駆け巡ったといいます。今は、世界遺産の街にギャラリーをかまえ、たくさんの作家の作品を世に広め、スポーツカーを何台ももってるんだぞと、自慢げにいいます。でも、今夜君たちの作品をみて、もういちど作品を作りたいっておもった。こんな夜は久しぶりだ、と、話してくれました。

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(オーナーのMr.Koay)

オープニングにはたくさんの美術愛好家があつまり、その場で作品をきめていきます。

展示は7月の後半まで続きます。

さあ、私は福岡でのアートレッスンです。
実は、マレーシアから帰ってすぐに、母校の西南学院高校の文化祭で、黒板に絵を描き、アートについてお話しさせていただきました。
アートを通して、ひとりひとりの中にある光を呼び覚ますこと。そのことを淡々と続けていきます。

フィリピンから参加していた、著名なパンディという作家が、オープニングの挨拶でこう言っていました。
「今、世界には問題が山積している。マレーシアは多人種、多宗教、多文化の国だ。それでも、こうやって、アートの空間で平和であれる。アートに境目はない。アートは今の世界の摩擦を減らし、癒すことができる。」

そうなんだなあ。私は彼の言葉を聞いて、素直にそうおもい、世界にはたくさんの同志がいるんだと感じました。

どんな作品が、あなたの光に響きあうのかはわかりません。だからこんなにも多様な世界と作品があるのです。
あなたの目で、遠慮せずに、すてきな何かを見つけてください。

それでは、また。
今日も、宇宙に満ちる愛とともに。
ワールドピース!