山の慎み

藤の花は、死と結びついています。森の木々は実生から芽吹き、やがて若木となって、数え切れないくらいの朝と夜を超えて、やがて老木となります。かずらがその体をつつみ、枝を締め付け、やがて枯れゆく体から養分を吸い取っていきます。そう、木々は美しく死を受け入れ、エネルギーが循環していくのに任せます。木々を大地へと還らせる働きを担ったかずらに咲く藤は、それはそれは美しく咲きます。この花は私たちの日常に死のもつ美しさを厳かさを教えてくれます。私たちはその前で、ただ、口をつむぎ、生きている今の価値を新しく知るばかり。

Temperance of the Forest

野生の藤にあったなら、彼らが死の使いであることを思い出してみてください。そして、だからこそ彼らが生の賛歌をいつもうたい、あなたを愛していることを。